史実や科学に基づいたリアリズムから架空の世界を創り出す宮城陽亮の主宰する演劇ユニットDMFが所属役者、佐藤修幸によるプロデュースユニットENGとタッグを組んだ提携公演第7弾では、現代に生きる忍(しのび)達の戦いを描く。
伊吹学院の女性体育教師、猫石計(ねこいし・けい)は、一人の研究員を助けたことから何者かに狙われることに。その研究員を追っていたのは現代に生きる忍者で構成された闇組織だった……。
それぞれの真理の為、忍び、しのぎを削り合う、アクション・エンターテインメントは宮城独自の世界観に基づき、これまでに類を見ない新しい忍者活劇となりそうだ。主演の梅田悠をはじめ、持田千妃来、松木わかはのメインキャストに舞台への意気込みを聞いた。[※この取材は2020年8月におこないました。取材に当たってはコロナ対策に細心の注意を払って実施しております。]
女性から見てカッコいいものを作りたかった
――― 伝説の忍の血を引く女性教師が運命に飲み込まれていくという興味深い新作ですが、どこからヒントを得たのでしょうか?
宮城「女性が活躍する映画『チャーリーズエンジェル』のような舞台を作ってみたいというのがきっかけで、男性は勿論のこと、女性目線でもカッコよくて楽しんでもらえる世界観を柱にしています。
気を付けたことは、忍者という題材をあまりファンタジーに描くのではなく、地に足のついた感じで現実に即した姿で描こうと心掛けようと思っています。とは言いながらも主人公は透明になれる特殊能力を使えるわけですが(笑)」
――― 現代とシンクロさせた理由は?
宮城「単純に過去を時代とする忍者芝居はもうやりつくされた感があったので、やるならば現代だろという感覚でした。また対立する敵忍者組織の首領が主人公である女性教師に惹かれていくなど、ラブコメや乙女ゲームの要素も多く取り入れました。カッコいい男性キャラから迫られる主人公の胸キュンなシーンもありますよ」
――― それぞれのキャラクターに誕生石の設定があるのも興味深いですね。
宮城「それぞれの登場人物が宿命の星を背負っています。その星に対応する宝石が、それぞれのキャラのパワーソースになっています。そもそも忍衆の玖影(くえい)という言葉も占い等で用いられるある物をモチーフにしております。玖影の紋章も、実在する家紋様式に由来しています。歴史の古いものを取り込むのが好きなんです」
きっと共感してもらえるはず
――― それぞれの役柄と舞台の世界観についての印象を聞かせてください。
梅田「宮城さんの作品は読んでいる段階からワクワクが止まらなくて大好きな世界観です。今回は現代に暗躍する忍者を描きますが、設定も緻密なのでそこまで現実離れしていない感覚がありますね。私が演じる主人公の女性体育教師、猫石計(ねこいし・けい)を筆頭に女性がメインのお芝居は珍しいと思いますが、きっと多くの人が主人公の抱く感情に共感を持ってもらえるのではないかなと。何でも満点のヒロインではなくて、日頃の対人関係など誰しもが持つ悩みを抱えています。
これまでENGさんでは悪役のボスなど正反対のキャラクターを演じてきたので、今回は私にとっても大きな挑戦ですね。毎回ENGさんのお芝居では必ず新しい課題を下さるのですが、毎回そのハードルが高くて、去年はアクションでした。稽古からかなりハードで、気が付けば腹筋が6つに割れていました!
今回はアクションを出来る役者さんが多くいると聞いています。その中で主演ということで、期待値も高くてかなりプレッシャーになっていますが、皆で一致団結して素敵な作品にできたらなと思っています」
松木「主人公の猫石と同じ学校に勤める理科教師の歳東千歳(さいとう・ちとせ)を演じます。宮城さんのお芝居には主人公をサポートしたり、場を明るくしたりするキャラクターが登場するのですが、千歳も同じような立ち位置です。
基本的には物静かで影のある役が多かったのですが、ENGさんでは色んな役に挑戦させてもらえるので嬉しいです。普通、学園モノというと、生徒が主人公のケースが多い印象ですが、女性教師という設定が根っからのオタクである自分としてはかなりの萌えポイントですね。
今回の星の設定もそうですが、宮城さんの作品のキャラクターには名前にも大きな意味が隠されているので、それを調べるのも楽しみのひとつになっています。DMFの女優として宮城さんの作品は再演も含めて多く出演させてもらっていますが、今から見ても新しいなと思うことをずっとやってこられたので、すごいなと思っています。宮城さんの学生時代の作品『Last Smile』も今でも人気作ですし、設定がまず奇抜。頭の中をのぞいてみたいですね」
持田「猫石計が担任するクラスの生徒、火伏火神(ひぶせ・かがみ)を演じます。現代に生きる忍びで、使命を知らずに生きる主人公の猫石計を守る役です。
これまでも忍者や武将の役を沢山演じてきたのですが、今回現代と絡めていることで新しい感覚で挑ませてもらえそうで今から楽しみです。例えばスマートフォンなど現代であれば誰もが持っているものが、どんな形で物語に生きてくるかなど是非注目してもらいたいですね」
梅田「女子高生が教師を守るっていう設定自体がもう萌えるよね!」
松木「うん!間違いなく!」
持田「台本を読んでいても、普段の学校での姿は学生っぽいんですよね。そこから忍びの姿とどう変わるかが新しい。役作り含めて新しい挑戦だなと思っています」
――― ほかに意識した部分はありますか?
宮城「武器に必ず打撃攻撃が可能な部分を付けました。例えば、苦無(くない)にはアームガードがついているんですね。時代劇のように“斬り捨て御免”ができない現代なので、斬った斬られたよりも、どう相手の攻撃を凌いで自分や仲間を守るかという所に意識を置きました。当然敵は真剣で来ますが、こちらは法律の中で戦うぞという感じです(笑)。
あとはラブコメディーの部分でしょうか。相手から好意を寄せられた人物の反応に、ドキドキ・ワクワクしてもらいたいですね。」
この時代だからこそできること
――― 今回は初の生配信や席の間隔を空けて生じた空席を『分身の術シート』として販売するなど、新たな試みも取り入れられる。インタビューの場に立ち会っていた、本公演プロデューサーの佐藤修幸も公演に際し、新しいアイディアを試すとともに、熱い想いを抱えていた。
佐藤「何かと制限が多い世情の中でお客さんの選択肢を増やしたいという思いからです。『分身の術シート』も最初は普通の応援パネルだったのですが、忍者のお話ですし、自分を分身させることができたらいいねというアイディアからでした。購入者特典としては公演終了後にキャストからのコメントとサイン、集合写真をつけて消毒の上でお送りいたします。
確かにコロナ禍で苦心の部分もありましたが、発表した時にお客さんが喜んでくれた事は正直ほっとしたし嬉しかったですね。それはこれまで関わってくれた役者さんやスタッフのお蔭だと思っています。劇場で生で観て頂くことが最高ですが、決して悪いことばかりではなくて、生配信のお蔭で地方に住む方やこれまで観劇したことなかった方へのアプローチにもなってくれる。きっかけは何でもいいと思っています」
――― それでは読者の方へメッセージをお願いします。
松木「女性がカッコよく男性を倒していく爽快感あるお芝居にもなっています。こんなご時世ですが、時間とお金を使って観てよかったと思って頂けるように、一瞬でも嫌な事を忘れて没頭してもらえるように全員で頑張ります。是非楽しみにしていてください!」
梅田「逆風の中、エンターテインメント業界に良い追い風を吹かせられるような作品にできればと思っています。主役、ヒロイン張れる役者さんばっかりですが、座長として全てを背負う覚悟で全力で頑張りますので、是非応援を宜しくお願い致します!」
持田「舞台や音楽が持つ力は想像以上のものがあるはずです。世界は救えなくても、観てくださった方一人一人には何かしらのパワーをお届けできると思います。個人的には大学を卒業して、最初の舞台になるので、かなり気持ちが入っています。生配信含めて一人でも多くの人達に見て頂ければ嬉しいです!」
宮城「エンタメの役目は昔も今も変わらない事ですが、観劇の間は少しでも嫌な事を忘れてもらえたらいいなぁ、と思っています。役者を含めて魅力的な作品になることをお約束します。是非ご覧になってください」
(取材・文&撮影:小笠原大介)
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September 07, 2020 at 09:08AM
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