『若草物語』の4姉妹に、現代女性の肖像を見いだして。 グレタ・ガーウィグ|映画監督/俳優
長編監督デビュー作『レディ・バード』(2017年)で、アカデミー賞において女性の監督賞ノミネート史上5人目という快挙を遂げたグレタ・ガーウィグ。ハリウッドでも注目の存在だが、2作目となる本作『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』は、その期待を裏切らない傑作だ。原作は、何度も映像化されてきたルイーザ・メイ・オルコットの『若草物語』。世界中の女性が読んで育ったマーチ家4姉妹の物語に、ガーウィグは現代的なテーマを見いだした。主人公は次女のジョー。裕福な恋人との結婚より作家になる夢を追う、野心家の女性である。
原作者オルコットの革命的な生き方に共鳴。
「物書きになることを切望するジョーに感情移入するのは事実。でも大人になったいまは、母であることの葛藤に揺れる長女メグも理解できるし、自分は偉大な画家になれるのか自問自答する四女エイミーにも共感する。そして三女のベス。聖人としてのイメージが強いけど、本当はとても変わり者。その部分も、映画では捉えたいと思ったの。『若草物語』が普遍的なのは、読むたびにそれぞれのキャラクターに自分自身を見つけることができるからだと思う」
この物語をなによりも現代的にしているのは、原作者であるオルコットの生き方そのものが大きい。
「ジョーはオルコットの分身だけど、ジョーと違って結婚もせず、より革命的な人生を生きた。映画には、オルコット本人の著書や日記、書簡が随所に織り込まれているの」
豪華な俳優陣にも注目したい。特にエイミーを演じたフローレンス・ピューの圧倒的な存在感は、新しい『若草物語』を体現しているといえる。
「エイミーは自己中心的と、この150年間嫌われ続けたキャラクター。でもいまは、魅力的な人だとわかる。野心的で現実的。そして世の中は野心的な女性に厳しいもの。まだ無名だったけど『レディ・マクベス』(日本未公開)を観て、エイミーにはフローレンス・ピューしかないと思った。彼女のスケジュールが空くのを待って撮影したくらい」
本作は作品賞などアカデミー賞6部門にノミネートされたが、受賞は衣装デザイン賞のみ。映画界も、いまだに野心的な女性に厳しいのか。「映画界が大きな変革期にあることは確か。いまほど女性監督が必要とされていることはないわ。でも認められることよりもっと大事なのは、続けられること。才能ある女性たちがいかに働き続けられるか、いつも考えて仲間たちと話し合っているの」
<Greta Gerwig/グレタ・ガーウィグ>
1983年、アメリカ・カリフォルニア州生まれ。大学時より女優として活動。2012年、パートナーであるノア・バームバック監督の『フランシス・ハ』で共同脚本・主演を務め脚光を浴びる。『レディ・バード』(17年)で長編監督デビュー。
19世紀のアメリカ、ボストン。父親が長期不在のマーチ家の、メグ、ジョー、ベス、エイミーの4姉妹と、気丈な母親の暮らしを描く。主演のシアーシャ・ローナンはアカデミー賞主演女優賞に、エイミーを演じたフローレンス・ピューも助演女優賞にノミネートされた。
『ストーリー・オブ・マイライフ/わたしの若草物語』は初夏より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国にて公開予定。
*「フィガロジャポン」2020年5月号より抜粋
interview et texte : ATSUKO TATSUTA
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