デバイスを操作してから、その操作の結果が返ってくるまでの時間である「レイテンシ」が低いほど、ユーザーは高速なレスポンスを感じることができます。コンピューターに関するさまざまな技術をテーマとするdanluu.comを運営するダン・ルー氏が、過去40年ほどの間に発売されたさまざまなデバイスのレイテンシを測定し、その結果を解説しています。
Computer latency: 1977-2017
https://danluu.com/input-lag/
ルー氏は、近年発売されたスマートフォンやPCといったデバイスは古いデバイスと比べて性能が大きく上昇したにもかかわらず、レイテンシが大きいと感じていました。そこで、1977年に登場したCommodore PET 4016から2017年に登場したThinkPadまでの41年間に登場したさまざなデバイスにおける「キーボード入力から画面表示までの時間」をハイスピードカメラを用いて測定することで、各デバイスで発生しているレイテンシの大きさを確かめました。
測定の結果、レイテンシが最も小さかったのは1983年に登場したApple IIeで、続いて1981年登場のTI-99/4A、2014年登場のCPU「Core i7-6850K」と165Hzのゲーミング向け高リフレッシュディスプレイで構成されたPC、 今回用いたデバイスの中で最も古い1977年登場のCommodore PET 4016と続きます。また、測定時の最新デバイスであったPowerSpec G405のレイテンシは、200msとインターネット通信が世界を一周するのにかかる時間(packet around the world)である190msよりも長いという結果に。現代の高性能なPCは高いリフレッシュレートを持つディスプレイを使わなければ、40年前のコンピューターよりもレイテンシが大きいという結果になりました。
この結果には、昔のデバイスに搭載されるブラウン管モニターが液晶ディスプレイと比べて低遅延であることが影響しているとルー氏は語ります。ルー氏が「応答速度1ms」と宣伝されている液晶ディスプレイの応答速度をハイスピードカメラで測定したところ、実際の応答速度は約10msだったとのこと。それに対してApple IIeに搭載されているブラウン管モニタの応答速度は約8.3msと高速でした。
さらに、現代のデバイスが入力から出力までに行う処理の複雑さと比べて、古いデバイスでは、入力から出力までの処理が非常にシンプルなため高速な応答が可能とのこと。
次に、ルー氏は新旧さまざまなタッチ操作デバイスのレイテンシも測定しました。その結果、レイテンシが最も小さかったのは、2017年登場に登場した10.5インチiPad Proで、続いてiPhone 4SやiPhone 6s、iPhone 3G SといったiPhoneシリーズが並びます。iPhoneを除くスマートフォンの中で最もレイテンシが小さかったのは物理キーボードを搭載するBlackberry Q10で、続いて2016年登場のHuawei honor 8、2017年登場のGoogle Pixel 2 XL、2016年登場のGalaxy S7が並び、最も遅延が大きかったのは電子書籍リーダーのKindle 4でした。なお、iPhone以外の全てのデバイスは1998年に登場したゲームボーイカラーよりもレイテンシが大きかったとのこと。
ルー氏はiPhoneのレイテンシが小さい理由について「AppleはiPhoneのチップとOSの両方を自社で設計しているため、レイテンシを低く抑える設計を容易に行うことができます。それに対して、Android端末はベンダーごとに機器の設計が異なるためレイテンシを抑える設計が困難なのでしょう。さらに、Androidを開発するGoogleはAppleと比べてユーザーの体験を重視しない傾向があります」と語っています。
さらに、タッチスクリーンと比べて設計がシンプルな物理キーボードを搭載するBlackberry Q10はレイテンシが小さく、液晶ディスプレイよりはるかに遅延が大きい電子ペーパーを搭載するKindleはレイテンシが大きくなったとのこと。
ルー氏は「液晶ディスプレイは年々進歩しています。解像度の技術革新によって4Kディスプレイが普及し、8Kディスプレイの普及も視野に入ったように、将来レイテンシを抑える技術革新が起きることを期待します」と締めくくりました。
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