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里程標的作品から現代の新鮮作まで、人狼テーマの饗宴 (2020年6月2日) - エキサイトニュース

『幻想と怪奇』第2号は、特集「人狼伝説 変身と野生のフォークロア」。

 巻頭カラーページの「人狼映画ポスター・ギャラリー」が楽しい。これは本文掲載の「菊地秀行インタビュー 銀幕の人狼たち」で言及された、ホラー映画のなかからピックアップしたもので、なかなか壮観。これにつづいて、野村芳夫さんのエッセイ「人狼」が掲載されている。氏がアマチュア時代から親しんできた作品から、翻訳家として手がけた作品(自ら出版社に持ちこんだ企画も)まで、人狼テーマの小説について熱く語っている。

 その野村さんがこの号に訳出したのが、デール・C・ドナルドスン「ピア!」だ。ホームパーティを楽しんでいる四組の夫婦の情景に、そのなかの誰かが人狼だとの疑念が持ちあがる。疑念の種は、パーティ参加者全員の知りあいであるオカルティストの"霊振"によってもたらされた。完全な密室ではないものの、なかば閉鎖空間である室内、そこに停電や参加者のひとりの悪ふざけが加わり、尻上がりに不吉な空気が増大していく。ストーリー展開にどんでん返しが仕掛けられており、エンターテインメントとして手堅い。

 ジェイムズ・ブリッシュ「闇はもう戻らない」も、ホームパーティ参加者のなかに人狼が入りこむ。そうそうに誰が人狼かが明かされるが、その怪異的な力と人間の知略との攻防が繰り返されて、起伏あるストーリーが紡がれる。人狼の正体に人類史的スパンでの病理的説明が加えられるのが、いかにもこの作家らしい。


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June 02, 2020 at 11:05AM
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