「われわれの文明は、印刷された書式の魔力にとらわれている」。「マネジメントの発明者」といわれるピーター・ドラッカー氏は、主著の「現代の経営」(上田惇生(あつお)訳)でこう書いている。文書の定型な書き方を規範とみなし、柔軟さがうせる様子を批判したものだ。
▼よくある間違いは、報告や手続きを上からの管理の道具に使うことだとも指摘している。工場長は自らの仕事には必要のない情報も集めて本社に知らせるようになる。現場の社員が報告書の作成に時間をとられ、本来の仕事がおろそかになった保険会社の例も挙げている。無益な作業が組織全体で増殖していく愚かしさだ。
▼緊急経済対策に盛られた給付金や助成金も、厳正な管理をめざすあまり、手続きがいたずらに煩雑になっていないか。極め付きは従業員に休業手当を支払う企業への雇用調整助成金だ。書類に記載する項目が73もあった。減らした後も38にのぼる。経営者は申請に費やす時間を新規事業の思案にでも使いたいところだろう。
▼手続きが「アマゾンのジャングル」のようにはびこっていた組織が、窒息しそうな状況を打開した例をドラッカー氏は紹介している。あらゆる報告を2カ月廃止し、どうしても必要なものだけ復活させることにした。すると報告の4分の3は不要だったという。「現代の経営」は刊行から60年以上たつ。今なお示唆に富む。
"現代の" - Google ニュース
May 11, 2020 at 10:42PM
https://ift.tt/2LpBxlH
春秋 - 日本経済新聞
"現代の" - Google ニュース
https://ift.tt/36b4L0m
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update
Bagikan Berita Ini
0 Response to "春秋 - 日本経済新聞"
Post a Comment