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クライフ、サッキ、グアルディオラ、ジダン…強く美しい戦術はどのような系譜をたどり、いま、まさに究極の戦術が生まれようとしているのか? トータルフットボールの進化という大河の源流と革新を綴る濃密な戦術ガイド本『サッカー戦術クロニクル ゼロ』から一部抜粋して公開する。(文:西部謙司)
●トッティの偽9番による機能性とは
システム化されたファルソ・ヌエベの効果を最大限に発揮したのは、リオネル・メッシだろう。ペップ・グアルディオラ監督時代のバルセロナである。サミュエル・エトー、ズラタン・イブラヒモビッチといった生粋のCFを除外してまでメッシを据えたのだから、それだけ偽9番システムの効力を信じていたわけだ。実際、偽9番となったメッシはそこからワンステージ上のプレーヤーとなり絶大な威力を示した。
メッシ以外では、ASローマにおけるフランチェスコ・トッティが成功例としてあげられる。トッティの場合は、当時のルチアーノ・スパレッティ監督が使いどころに困った挙げ句の策のようだが、戦術上のイノベーションとはえてしてそんなもの。ペデルネーラもヒデクチも本職CF不在や同ポジションの余剰というチーム事情から始まっていた。必要が発明の母なのだ。
トッティの偽9番は機能性においてマジック・マジャールのナンドール・ヒデクチと似ている。トップの位置から少し引いてきて味方にスペースを空ける、パスワークに絡んで崩しの中心となるところはバルセロナ方式と同じなのだが、トッティはむしろ追い抜かれる1トップだった。
ローマが自陣に引いているときはハーフウェイライン付近に残っていて、カウンターアタックになったときに強力なポストプレーヤーとしてボールを預かり、味方が攻め上がるタメを作った。その意味ではゼロトップというより強力な1トップである。
トッティを経由してカウンターがセットされると、味方はトッティを追い越していく。そのままトッティなしでフィニッシュへ至ることもあるが、攻め込みスピードが止まったときはトッティがバイタルエリアに顔を出して技巧とアイデアを発揮、シュートまでの道筋をつけた。ハンガリーにおいて、ヒデクチをフェレンツ・プスカシュやサンドル・コチシュが追い抜いていったのと同じ構図といえる。
偽9番はハンガリーやディ・ステファノによって英国にも知られるようになった。ハンガリーがウェンブレースタジアムでイングランドを6-3と大破した歴史的一戦の後、マンチェスター・シティは「レビー・プラン」と呼ばれた偽9番システムを採用している。当時のCFドン・レビーの名前をとったレビー計画だ。
ちなみにドン・レビーは70年代にリーズ・ユナイテッドを率いた監督で、イングランド代表監督にもなっているが、レビー・プランはそこそこ成功したものの、その名を知る人はあまりいない。偽9番もシステムそのものではなく、誰がそれをやったかが決定的に重要なのだろう。
(文:西部謙司)
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