図書館などが所蔵する史料がデジタルアーカイブとして使いやすくなった。自宅で過ごす時間が増えた今、日本の近現代史をネット散策するのも楽しそう。意外な史実に出合えたり、学べたりする歴史アーカイブを10人の専門家が選んだ。
大人も満足、充実の解説
<国立国会図書館国際子ども図書館> 幕末・明治期の貴重な歴史資料や書籍にある写真を使い、「人物」「テーマ」「史料」などの切り口から歴史を知る構成。例えば、坂本龍馬を調べると西郷隆盛など交流のあった人物にリンクが張られ、薩長同盟やペリー来航といったテーマに結びつけられる。史料として関連づけられるのは、龍馬が新政府を構想した「船中八策」だ。
竹内秀一さんは「『中高生のため』とあるが大人も十分に満足できる充実した内容。最初に歴史を学ぶことの意味や史実をとらえるための史料に関する解説があることで、歴史への向き合い方がよくわかる」と指摘。植村八潮さんは「トップページから個々の学びへの誘導がうまい」と評価する。
歴史の教科書に出てくるような堅苦しい話題だけではない。「陸奥宗光は『西洋婦人が見た日本の美男子』だったなど、教科書だけではわからないエピソードで歴史上の人物を引き立てている」(北方佐也加さん)。
思わず絵の世界へ入り込む

<国立国会図書館> 葛飾北斎の「富嶽三十六景 江戸日本橋」など、江戸の名所を描いた錦絵484点を掲載。今の東京の地図や昔の「江戸切絵図」から探すこともできれば、絵師やキーワードからも探せる。「直感的に(マウスを)操作できる」(福井健策さん)ので錦絵の世界に無理なく入れる。
「検索を深めるごとに江戸の地理と景色が見えてくる。(横断検索が可能な)デジタルアーカイブならではの特徴を生かしている」と向平由子さんは評価。「絵師から探す機能は現代のアニメ作品のアーカイブでもまねしたい」(山川道子さん)
文字や絵画をヒントに地名を当てる「江戸名所判じ物クイズ」は余興のコンテンツ。武士が4本の矢を持っているから「四谷(よつや)」といった具合で楽しめる。
近代化の礎、蘭学学んだ偉人を紹介

<国立国会図書館> 江戸幕府の鎖国政策下でも続いたのがオランダとの交易だ。日本が受容し、独自の発展を遂げた蘭学は明治以降の近代化の礎に。日蘭交流の歴史や、幕末に長崎などで活躍した蘭学者などトピック別に整理している。
「内容が充実しており、参考文献も明記するなど見せ方に配慮が感じられる」(久世均さん)。「関係書籍がリンクされ、詳しく調べたい場合にも対応できるのがよい」(竹内さん)。オランダ王立図書館ともリンクが張られ、オランダ側のサイトでは英語で説明。「図書館をまたいだデジタルアーカイブ活用の良い実例」(山川さん)。
産業の発達 写真とともに紹介

<国立国会図書館> 日本と万国博覧会のつながりは幕末に遡る。1900年までに開催された11の万博と、国内の5つの内国勧業博覧会について紹介。「近代産業の進展を展示写真をもとに、うまく表現している」(久世さん)
「膨大な数の写真が近代技術の紹介というコンセプトに従ってきちんと整理されている。繊維(紡織)機械だけでも35枚の写真が使われ、比較できるのが面白い」(矢野達也さん)。大学予備校講師の土屋文明さんは「サイトの構成・内容の完成度が高く、近年の大学入試問題の傾向に合致しており正直驚いた」と指摘する。
街の変遷たどると新発見も

<タイムワープMAP東京制作委員会・インクリメントP> 「江戸時代」「東京五輪の準備が進む1962年」「現在」の3時代の地図を重ね合わせて街の変化を調べられる。スマートフォン片手に歩きながら江戸時代にトリップした感覚になる。地図データから昔の東京や江戸に思いをはせられ「抜群に使いやすい」(福井さん)。
「東京駅のある場所は岡山藩の中屋敷だったとか、新たな発見がある」(北方さん)。「現在の地図と江戸時代の古地図を1つの画面の中でスムーズに比較表示できるインターフェースが良い」(矢野さん)。
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June 22, 2020 at 01:00AM
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江戸の数学、明治の写真…近現代史のデジタル史料10選|ブック|NIKKEI - 日本経済新聞
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