東京都渋谷区の児童養護施設「若草寮」で2月に施設長(当時46歳)が刺殺された事件で、東京第6検察審査会は、殺人容疑で送検された元入所者の男性(23)を不起訴とした東京地検の処分について「不起訴不当」と議決した。議決は9日付。地検が再捜査し、起訴か不起訴かを改めて判断する。
検審は議決で「検察官は、心神喪失中に犯した事件の蓋然性が高いとの理由で不起訴としたが、検討が不十分だ」と指摘。「判断には納得できず、再度検討することを求める」とした。
男性は2月25日、同施設で施設長の胸や腹を包丁で刺したとして、警視庁に殺人未遂容疑で現行犯逮捕され、殺人容疑で送検された。地検は事件当時の精神状態を調べるため、約2か月間の鑑定留置を実施。刑事責任を問えないと判断し、5月に不起訴とした。関係者によると、施設長の遺族側が処分を不服として検審に審査を申し立てていた。
2019-10-26 09:01:00Z
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