豚コレラ対策として、飼育する豚にワクチン接種を可能にする（養豚場で行われる殺処分作業、14日、埼玉県秩父市）=同県提供
江藤拓農相は20日、豚コレラ対策として、飼育する豚へのワクチン接種を認める方針を表明した。想定以上に広い範囲で感染が広がっているため、これまで禁じていた発症予防のワクチン接種を可能にする。発症予防に効果が期待できる一方、豚肉の流通には制限も生じる。今後、具体的な手法について有識者や自治体などと調整を進める。
江藤氏は同日開いた豚コレラ防疫対策本部の会合後の記者会見で「ワクチン接種を可能とする環境を整える」と語り、防疫指針の改定作業に着手すると表明した。実際にワクチンを接種するかどうかの判断は各県に委ねる。
強い伝染性と致死性を持つ家畜伝染病の豚コレラは、昨年9月に岐阜県の養豚場で26年ぶりに再発生が確認された。野生イノシシなどを通じてウイルスが拡散し、これまで1府7県に広がっている。
農林水産省が定めた豚コレラに関する「特定家畜伝染病防疫指針」では、豚コレラ対策は感染豚の殺処分が原則で、発症予防のワクチン接種は禁じていた。ただ野生イノシシを通じた感染が想定以上に広い範囲で進み、まん延に収束のめどが立たないため、ワクチン接種にカジを切る。
現在の備蓄ではワクチンが足りなくなる可能性があるため、農水省は製薬会社に増産を要請することも決めた。
2019-09-20 06:52:39Z
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